子供の近視抑制治療について
近年、スマートフォンやタブレットの使用時間増加、屋外で過ごす時間の減少などにより、お子さまの近視が低年齢化・進行しやすくなっています。
近視は一度進行すると自然に戻ることはなく、強度近視になると将来的に網膜剥離や緑内障などの眼疾患のリスクも高まることが知られています。そのため、早期からの「近視進行抑制」がとても大切です。
当院では、近視の進行を抑えることを目的とした「近視抑制治療」を行っています。生活習慣の見直しや屋外活動の推奨に加え、点眼薬を用いた治療法として「リジュセアミニ点眼液」を採用しています。
リジュセアミニ点眼液は、毎晩寝る前に1滴点眼することで、近視の進行を穏やかにする効果が報告されています。
従来の治療に比べ、副作用が少なく、瞳孔の拡大やまぶしさ、ピント調節への影響が軽度であることが特長です。
治療効果には個人差がありますが、継続的に使用することで、近視の進行をおだやかにし、将来の視力低下を防ぐ可能性が期待できます。
お子様の視力のことで気になることがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。眼科専門医が丁寧に検査を行い、年齢や生活環境に合わせた最適な治療法をご提案いたします。
子供の近視の進行は目の成長(眼軸の伸長)が原因です
近視とは、目の中に入った光のピントが合う位置が網膜より前になっている状態のことをいいます。
近視のほとんどは眼球が前後に伸びることで起こります。
※スマートフォンでご覧いただく際は左右にスクロールしてください。
近視は将来の眼病のリスクを増加させます
網膜剥離のリスク
- ※正視とくらべた場合。
出典:Haaman AEG. IOVS 2020
- 軽度近視で3倍
- 中等度近視で9倍
- 強度近視で13倍
緑内障のリスク
- ※正視とくらべた場合。
出典:Haaman AEG. IOVS 2020
- 軽度近視で1.6倍
- 中等度・強度近視で3倍
眼科で行われる対処法
近視は将来の目の病気のリスクを高める可能性があるため、適切に対処することが大切です。
眼科で行われる近視の対処法には以下があります。



メガネ、コンタクトレンズによる矯正
- お子さんの状態にあった視力矯正が大切です。
近視の進行を抑える治療
- 近視の状態や進行状況によっては、近視の進行を抑える治療を行うことがあります。
眼軸を伸ばさない治療
近視は子どものときほど速く進む可能性があります。
早い段階からできるだけ近視が強くなるのを避けることで、将来の見え方を守り、目の病気になる可能性を低下させることが治療の目的です。
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- ※近視進行抑制治療は近視の進行を抑制するものであり、進行が完全に止まるわけではありません。
- ※近視進行抑制治療は近視を改善するものではないため、近視の程度に応じて眼鏡やコンタクトでの視力矯正が必要になる可能性があります。
治療薬について
日本初の厚生労働省認可 近視進行抑制治療薬『リジュセア®ミニ点眼液』
- 1日1回寝る前に点眼する、継続しやすい治療です。
- 長期に点眼するため、防腐剤フリーの1回使い切り点眼になってます。
- 眼軸が伸びるのを緩やかにすることで近視の進行をおだやかにします。
- 治験では、3年間で25%の近視抑制。
治療スケジュールと費用
初回
- 検査費用(5,500円)
- 点眼薬費用(4,400円/箱)
合計 9,900円(税込)
2回目(初回から1ヶ月後)
- 検査費用(5,500円)
- 点眼薬費用(4,400円/箱)×3箱
合計 18,700円(税込)
3回目以降は3ヶ月ごとに受診
- 検査費用(5,500円)
- 点眼薬費用(4,400円/箱)×3箱
合計 18,700円(税込)
| 初年度 | 80,300円 |
|---|---|
| 2年目以降 | 74,800円 |
- ※コンタクトや眼鏡の処方に関しても自由診療となるため、別途、検査費+処方箋料(1,100円)がかかります。
- ※診察日は火曜午後と土曜午前、完全予約制です。
注意点
- 近視進行を抑制するものであり、進行が停止するわけではありません。
- 効果の程度は個人で違います。
- 改善効果はありませんので、近視の程度に応じて眼鏡やコンタクトが必要になることはあります。
- 治療を途中でやめると、リバウンド効果(近視の進行が早くなる)が出ることが、国内治験時や海外で報告されています。そのため、高校卒業までの継続をおすすめします。
- 点眼によって瞳孔が広がりますので10%の人に羞明(まぶしさ)、1%の人は治療継続困難になります。
- 治療に従った通院・定期検診が必要です。
この治療は”自由診療”です
- この治療は、健康保険がつかえません。
- 診察代、薬剤代、それぞれ費用がかかります。
- また、この治療を継続している期間は、屈折に関する診断治療(眼鏡処方、コンタクト処方など)も保険診療外となります。つまり、費用がかかります。
- 同じ日に、結膜炎などの保険診療はできません。
- 副作用などで治療を中止した場合でも、点眼薬の返品や返金はできません。
